感想『だから私はメイクする』1巻 原作:劇団雌猫 漫画:シバタヒカリ

ヒューマンドラマ

※ネタバレあります。ご注意ください

あらすじ

 

メイクをテーマにした6人の女性のオムニバスストーリー。

 

Chapter.1

高校生の時、友人に教えてもらったアイプチをきっかけにメイクにハマった腐女子の笑子。

ハマると熱中してしまうタイプの彼女。

友人の不安は的中し、大学の半ばをすぎたころには「マリー様」と厚化粧を揶揄したあだ名を付けられるほどになっていた。

その頃、彼氏にすっぴんの酷さを理由に振られた彼女だったが、彼女は振られたショックよりも自分のメイク技術の凄さにほれぼれしていた。

Chapter.2

少女マンガ家の奏子は、推しのアイドルコンサートの余韻を永遠に終わらせないため、自分の爪にその瞬間を残そうとネイルをはじめる。

ネイルサロンの価格の高さに驚きセルフネイルを決意するものの思うようにいかない日々が続く。

ある日、出版社に行くと綺麗な人を見かけた。

デパートで販売員をしている熊谷という女性の爪を見ると、とても綺麗なネイルが目に入った。

咄嗟に自分の爪を隠した奏子に気が付いた熊谷は自分でネイルをしているのかと声をかける。

 

Chapter.3

少しでもおしゃれして会社に行くと、いつもいつも余計なことばかり言う社内の人たちにうんざりしていた亀山。

友人の笑子と奏子に愚痴をこぼした翌日、メイクを控えめに服も落ち着いたものを着て出勤すると、またもや余計なことを言われる。

どうしたものかと悩みながらも、今日は楽しい予定がある!と気分を上げて定時と同時に席を立つ。

すると社内で人気の高い吉成という男性と駅まで一緒に帰ることになってしまった。

今日は何か用事かと聞かれた亀山は深掘りされると不安になったが、吉成は楽しい用事かどうかしか聞いてこなかった。

トイレの前で吉成と別れ、亀山がトイレでメイクを直して出ていくとメイクをした吉成の姿があった。

Chapter.4

前日は0時まで飲み会、翌日は7時出社。

なのに、くまひとつなく完璧なコンディションで仕事をする北郷兎咲。

後輩に何か秘訣があるのかと尋ねられたので、まずは「金」だと彼女は教えた。

もっと特別な方法があるのかと期待した後輩は結局は金かと落胆する。

しかし、北郷はただ高い物を買えばいいのではなく、自分のビューティースタンダードを確立するためにお金を罪悪感なく使ったっていいと伝える。

彼女の秘訣は他に2つあり、もう1つは「その日の疲れはその日のうちに」

そして最後の1つは後輩にはとても言えることではなかった。

 

Chapter.5

水彩教室の先生をしていた輪子は、親友の熊谷の紹介でドバイの美容サロンで働くことになる。

出勤初日、アバヤとシェーラを脱いだイスラム教徒の女性達の美しさに輪子はとても驚く。

男性禁制の場。

生き生きとしている女性達の姿がここにはあった。

休日、お気に入りネックレスをして買い物をしていると現地の女性に素敵なネックレスだと声をかけられる。

しかし、輪子はとっさにただの安物だと謙遜してしまい、女性はそうと素っ気ない態度で立ち去っていった。

自分を自分で抑えて窮屈だった輪子は、ドバイの女性達に触れてある決意をする。

 

Chapter.6

デパートで販売員をしている熊谷。

今では凄腕ビューティーアドバイザーと言われているが、6年前は販売員としてダメダメだった。

販売員初日に、客からクレームを付けられてしまう。

先輩の猫田にメイクポーチを持っているか尋ねられ、販売員の昼休みを見せてやるとトイレに連れていかれる。

そこには戦場が広がっていた。

1からメイクをし直している人もいる。

メイクに興味があってもどれが自分に合うのか分からない熊谷。

猫田は販売員は知識を持ってどのメイクが似合うか分からない客のお手伝いをすることだと説明する。

自分の持っていたチークではなく猫田のチークを使った自分の顔は今までとは全く印象が違っていた。

”私なんか”で目を曇らせるなと猫田が励ますと、熊谷は泣き出してしまった。

 

感想

読むたびにおしゃれがしたくなる漫画です。

メイクをする理由は人それぞれ。

自分の好きなメイク、男性に気に入られるためのメイク、仕事用のメイク。

1話の笑子はお人形を目指すと言っています。

完全に濃いメイクで、男性からはあまり良い印象を持たれない。

でも、自分のしたいメイクの方が気分が上がるし、その日1日のモチベーションが全く違いますよね。

服でもネイルでも、自分の好きなものを身に着けていると本当に楽しくなります。

婚活で疲れ切った笑子が立ち寄ったデパートで熊谷に会い、メイクをする理由がなんであろうと自分を好きになれることが大事だと笑子に微笑みかけます。

楽しくやれればそれが一番ですよね。

2話はオタクあるあるですね。

推しのイメージカラーを塗ることはあってもデザインまでしようなんて思ったことはないです。

セルフネイルって本当に難しいです。

奏子は細かいデザインまでできるようになっていました。

何を始めるにも最初はできなくて当たり前ですが、続けるのが大変。

でもネイルをしていると良い色だねと誰かが言ってくれることもあります。

練習だと思うと続けるのは大変ですが、やっぱり楽しく続けないとですね。

3話の吉成はメイクが大好きだけど会社では全くメイクはしない。

ファッションは自己表現の手段。

他人に一番見られる部分で、自分が表現したいことを相手が正しく受け取ることはないです。

大好きなファッションでイライラしたりしたくないから、会社ではメイクをしない。

メイクをする理由もあれば、しない理由もある。

3話は本当に共感してしまいました。

いつもと違う服を着ていくと、「今日合コン?」「今日はどうしたの、めっちゃ気合入ってるじゃん」

気分が上がってやる気が出ているのに水を差すことを言われてモヤモヤすることがよくあります。

コミュニケーションの1つだと言われればそれまでなのですが、なんだかなぁという感じですよね。

4話の、兎咲の自分を貫くところは本当に気持ちが良いです。

帰宅して栄養ドリンク飲みながら、フェイスパックして、足をマッサージしながらスマホを見る。

素晴らしい。疲れは次の日まで持ち越してはだめですからね。

これを読んで、足のマッサージ機器を買ってしまいました。

足のむくみがなくなるだけで翌日の気分が全く違います。

この話を読んでいなかったらマッサージ機器を買っていなかったのでありがいです。

5話の輪子は自分を殺して、いつのまにかテレビや周りに刷り込まれた言葉ばかり言ってしまっていた。

ドバイで自分大好きな女性達を見て、驚くと同時にうらやましく感じてしまう。

自分が自分を1番愛さなくて、誰が愛してくれるのでしょう。

周りを気にしてしまう日本人には、自分大好き!という人はなかなか見つからない気がします。

でも、少しでも自分を好きになれたら前向きになれる。

変わった輪子はかっこいいです。

6話の熊谷は1から勉強して凄腕とまで言われるほどになりました。

初めてデパートの化粧品売り場に来た笑子の友人。

場違いな気分で居心地が悪そうな様子でしたが、熊谷にアドバイスされた後はメイクに興味を持ってくれた。

本当に努力家の凄腕です。

それにしても熊谷のようなアドバイザーはどこかにいるのでしょうか。

いるのなら私に似合うメイクを教えてほしいですね。

パーソナルカラーに骨格診断、メイクするにも色んな知識が必要なんだなと知りました。

この話読んだ後、どこかでパーソナルカラー診断できないかなと調べまくっていた記憶があります。

 

どの話も読んだ後はおしゃれが無性にしたくなる話です。

2巻も出るので楽しみです。

 

 

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