感想『とつくにの少女』ながべ 2巻

ダークファンタジー

※ネタバレあります。ご注意ください。

あらすじ

外の者が家に入ってきてシーヴァは外の者に触れられ呪いを受けてしまう。

せんせは斧で外の者を退治しようとする。

外の者は魂を独り占めする気なのか、とせんせに問いかけた。

シーヴァに君のおかあさんを知っていると言っていた外の者。

外の者が何を知っているのか聞くため、再び外の者に会うことにした。

森で外の者に再会し、外の者に案内された場所は大きな湖だった。

外の者はおかあさんはここにいると不可解なことを言う。

何も知らないせんせを外の者は変だと不思議がった。

犬のようなトナカイのような形のした外の者が何体もやってきて、おかあさんに報告するためと次々に湖の中に入っていく。

泳げないシーヴァは待っていることになりせんせは湖の中に入っていった。

森のように木々が生えている先に大きな穴があった。

外の者たちは穴に向かって、ただいまと報告をする。

そして何も知らないせんせにおかあさんは教えを説いた。

外の者の役目は、魂を奪った者たちから魂を取り返しおかあさんに戻すこと。

外の者はシーヴァの魂を奪いおかあさんに返そうとしていたのだ。

どんな行動をすればシーヴァを傷つかせずにすむのかと苦悩するせんせ。

呪われてしまったシーヴァだったが、呪われている兆候は見られなかった。

呪われきってしまう前に呪いを解く方法をと考え込むせんせに、シーヴァは村に行きたいとお願いする。

水を汲んだ帰り道、人の声がした。

せんせは兵士かもしれないと帰路を急ごうとするが、シーヴァは何故か声のする方へ走っていく。

そこにいたのは、シーヴァのおばだった。

 

感想

内の者は外の者が呪いを振りまいたせいだというが、外の者は内の者が魂を独り占めし呪いをかけたせいだと言った。

白の神”父”と黒の神”母”

悪さばかりしていた黒の神をこらしめるために白の神は罰を与えた。

そして怒り狂った黒の神は罰を呪いに変えた。

内の国に伝わる話はそうなっています。

内の国にとっては外の国が悪で、外の国にとっては内の国が悪。

内の国に伝わる話も外の者が話した内容も知ったせんせはどちらが本当かは全く判断が出来ず混乱します。

しかし、せんせは元は内の者であり、呪われて外の者となってしまったので内の国の話が本当だと思っています。

魂はおかあさんのもので、ばらばらにちりばめられた。

外の者の話通りなら、内の国の人々の魂は元はすべておかあさんの魂だということになります。

シーヴァの魂もおかあさんの魂。

しかし、シーヴァの魂はシーヴァのものではないのでしょうか。

魂は誰かからもらったものという考えは日本人の宗教観ではイメージするのが難しいかもしれないですね。

すべてがおかあさんの魂だとしたら、個性があるのは何故かと疑問に思いました。

元は同じ魂だとしても、環境が違うから個性が生まれるのか。

話が分からなくなってきた私と同様にせんせも苦悩します。

そんなせんせを心配するシーヴァ。

難しい話の合間のせんせとシーヴァの会話が癒されます。

シーヴァは自分が呪われてしまったと自覚しますが、元気に明るく振舞います。

本当は不安で心細いと思うのですが、せんせにはそんな素振りを見せません。

 

内の国にとっても呪いから解放されるためにシーヴァが必要。

おばを使ってシーヴァを内の国に連れていきます。

おばは生きていたのです。

 

最後のおまけの少女を読んでクスリと笑ってしまいます。

外の者が可愛く見えますね。

せんせは服を着ているのですが、他の外の者は本当に真っ黒なので森の中の描写だと何が描かれているのか分からなくなることがあります。

でも、雰囲気があって良いなと思いました。

2巻まで読んで効果音が吹き出しで書かれていることに気がつきました。

絵が全体的に暗いので過激な描写があるわけではないのに夜に読むと少し怖くなるのですが、雰囲気が出るのでその怖さを楽しんでいます。

 

2巻は外の者の目的は魂を取り返すこと。

シーヴァが鍵を握っているということが分かる巻でした。

謎がさらに深まりましたね。

 

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