感想『とつくにの少女』ながべ 1巻

ダークファンタジー
出典:ながべ『とつくにの少女 1』

※ネタバレあります。ご注意ください。

あらすじ

昔々、遠い地に二つの国があった。

外の国(とつくに)と内の国(うちつくに)

外の国に住むのは、呪いを持った黒い者だけ。

内の国に住む人々は、外の国との間に高い壁を造り呪いから守ろうとしていた。

 

少女シーヴァは、真っ黒いせんせと呼ぶ者と暮らしていた。

シーヴァはおばが迎えに来るのをずっと待っている。

しかしおばが迎えに来ることはない。

シーヴァの住む国は外の国。

そしてせんせは呪いをもった外の者。

 

少女シーヴァと心優しいせんせとの物語

感想

おとぎ話のようです。

白の神様と黒の神様から今の二つの国ができた。

設定が面白いですね。

 

呪いをもっていると冤罪をかけられ処刑されそうになっていたシーヴァ。

心優しい誰かに助けを求めてシーヴァは森に捨てられてしまいます。

せんせは外の国の者ですが、とても心優しい者。

無邪気で屈託な笑顔をする可愛いシーヴァにせんせは常に寄り添います。

外の国の者であるせんせはシーヴァに触れることができません。

シーヴァを抱きしめたくても触れられない、けがをしてもおんぶをしてあげられない。

せんせにはとても辛いだろうと思います。

シーヴァが待つおばも生きているのかどうか分からない。

せんせはシーヴァの悲しい顔が見たくなくて、おばがもうすぐ来ると嘘を言ってしまう。

せんせは食事を必要としていない、熱さも感じないのに心がしっかりあります。

せんせ以外の外の者が1巻ではほとんど出てこないので1巻だけでは外の者が何なのかは分かりません。

 

近くの村が外の国となってしまったということは、内の国は小さくなっているということ。

冤罪もあるし、100名を処刑した事件もある。

少しでも呪われている可能性があるのなら殺さないと自分が呪われてしまう。

だから冤罪が起きてしまう。

兵士も好きでシーヴァを殺したいわけではない。

でも身を守る方法は殺すしかないのです。

見えないものにおびえ続けるのは、内の国にとってはとても窮屈ですね。

この世界に住んでいたら疑心暗鬼になりそうです。

 

シーヴァは外の国は危ないと言い聞かせられていたのにせんせと2週間暮らしています。

せんせを外の者と理解しているし、触ると呪われることも知っている。

なのに全く怖がる様子がないのが不思議です。

好奇心からなのか、せんせが悪い者ではないと感じているからなのか。

せんせがとてもシーヴァを大切にしていることは伝わります。

自分に何ができるのかと悩むぐらいシーヴァの事を想っています。

しかし、なぜそこまでシーヴァを想っているのか。

せんせは自分が医者だということを忘れてしまっているようです。

記憶が少しずつ無くなってしまうようなので、せんせがシーヴァを想う理由が今後分かると良いのですが。

 

絵の感じも相まってとても引き込まれてしまいした。

来月に完結するようなので一気に読んでいこうと思います。

  

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