※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
人命救助をして星を獲得したアーニャへのご褒美として犬を飼うことになったフォージャー家。
ロイドは所属する西国情報局対東課<WISE>の息がかかった軍用犬販売店へアーニャを連れていくがその店には強面のいかつい犬しかおらずアーニャに嫌そうな顔をされてしまう。
そこで保護センターで譲渡会がやっているというのでそちらへ向かおうとしたが、ロイドへ新しい指令が入ってしまいヨルとアーニャだけで譲渡会に向かうことに。
ロイドは司令部まで連れていかれ閣僚級協議の為に東国へ来ていた西国のブランツ外相の暗殺計画が企てられているのを聞かされる。
偶然に大使館付近をうろついていた一人を拘束し、大学生集団が爆弾犬を使って暗殺を計画していることを聞き出した。
暗殺の成否にかかわらず事件が公になるだけでも東西関係が悪化してしまう可能性がある。
ロイド達WISEは何としても未然に食い止めなければならなかった。
その頃、譲渡会にいたヨルとアーニャは沢山の動物にテンションが上がっていた。
アーニャが部屋の外を見ると白くて大きな犬を見つける。そしてその犬と目が合うとアーニャの頭の中にロイド、ヨル、そして自分が何かを歓迎している映像が流れ込んだ。
犬の心だと思ったアーニャは真意を確かめる為にヨルに何も言わず犬の後を追う。
犬を見つけ話かけていると別部屋で男たちがブランツ外相の暗殺計画について話しているのを聞いてしまう。
慌てて逃げようとするアーニャを集団の一人が捕まえるが犬が助けてくれたのだ。
その犬は未来を見ることができ、犬はさらにアーニャにロイドが死んでしまう未来を見せる。
アーニャはロイドを助ける為に犬と共に動き出した。
感想
フォージャー家に新しい家族が増えました。ボンドと名付けられた白い犬です。
ボンドが未来を見てアーニャが超能力でボンドの心を読み、ブランツ外相の暗殺、ロイドの死を回避しました。
最強コンビの誕生です。
しかし、ボンドが見せたロイドが死ぬときの映像で時計が映されるのですがアーニャは時計が読めず、ボンドもひどい方向音痴でなかなか順調にことが進みません。
そんなアーニャとボンドが始終奮闘します。
アーニャを探していたヨルもテロ集団がアーニャを誘拐したと勘違いし、意図せずテロ集団二人を打ちのめします。
人知れず世界平和の役に立ったヨルとアーニャは得意げですが、ロイドは疲れ切って胃が痛い様子。
本当にアーニャがいなかったらロイドも死に戦争が始まってしまうところでした。
アーニャに星を7つあげて”皇帝の学徒“にさせても足りないぐらいの功績なのに、この事件を秘密にしないといけないので何ももらえないのは残念すぎますね。
WISEの管理者シルヴィアがテロ集団に言ったセリフがとても重い。
テロ集団の学生たちは戦争がどういうものか知らず、簡単に戦争が望みだと言い放ちます。
シルヴィアが学生に話した内容は実体験でしょうね…。
人を殺し、親兄弟が家に潰され、恋人の肉片が壁にへばりつき、飢えに飢えて木の皮にまでかじりつき、人間の肉を鍋で煮る。
戦争とはそういうこと。
ロイドも身をもって知っています。
シルヴィアの「今日が平和で何よりだ」という言葉は彼女が本当に平和を望んでいるのが伝わります。
世界平和の役に立ったのに星が貰えないアーニャはダミアンと仲良くなるしかなく、犬を飼い始めたという話題を使って作戦を実行します。
犬がいるとダミアンに伝えますが「だからどうした」と冷たく返されてしまいました。(ダミアンとしては酷い言葉を言ったつもりはなかったのですが…)
その時のムンクの叫びのような表情のアーニャには笑いが止まりません。
4巻で一番笑ったシーンです。
爆弾犬を一瞬で委縮させるヨルの威嚇表情も素敵ですが、アーニャの表情には負けました。
2つの小話も和みました。今日も世界は平和でしたね。