感想『神客万来!』ねむようこ 1,2巻

ヒューマンドラマ・ファンタジー



※ネタバレあります。ご注意ください。

あらすじ

ホテルの客室係として働き始めた雲野みちる。

仕事初日。女将から本日のお客様は神様なので粗相のないようにと伝えられる。

そのお客様は1泊の予定なのに沢山の洋服を持って来たご年配の男性だった。

年に1回泊まりに来るという男性は、到着早々にスーツ姿からフリル付きのシャツに着替えみちるに食事時間を尋ねる。

みちるは女将から彼が一番楽しみにしているのは食事だと聞かされていた。

すぐに準備に取り掛かり男性の元に食事を運びクロッシュを開けると、なんとすべてジャンクフードだったのだ。

慌てたみちるだったが男性はジャンクフードで良いのだと嬉しそうに食べ始める。

いつも五穀米やら木の実やらばかりを食べているという男性は、みちるに若い子の間で流行っている食べ物を尋ねた。

タピオカが流行っていることを伝えば男性は感慨深そうに豊かな時代になったと言う。

みちるは来年までタピオカブームが続いているのかと不安になり、タピオカを買いに行く時間もないほど忙しい男性の為にその日の休憩時間にタピオカを買いに行くことに。

女将の息子瑞希が買い出しに行くと言うので車に乗せてもらいタピオカを買いに行くが、行った店は完売となってしまっていた。

男性に飲んでほしいみちるはお祭りをやっていたことを思い出し、屋台で無事に買うことに成功する。

慌ててホテルに戻ると男性が予定より早く迎えが来たとのことで帰るところだった。

みちるは男性の姿に困惑する。

彼は牛に乗り、みずら結いをしていた。

まるで神様みたいだと言うみちるに、女将が彼は神様だと答える。

このホテルは人外専門のホテルだったのだ。

感想

ほっこりする漫画です。

絵が柔らかく、見やすく読みやすい。

夏目友人帳や魔法使いの嫁とかが好きな私が気に入らないわけはありません。

 

1日1組限定の人外専門ホテル。

1話1組で話が進みます。

神様、ドラゴン、おとぎ話の登場人物。

色んな方が悩みを抱えてこのホテルに泊まりに来ます。

 

ドラゴンの話が良かった。

本当は可愛いものが大好きなのに、ドラゴンらしさを求められ自分らしさを出せないでいた。

お花畑を楽しみたいのにドラゴンがうきうきしているわけにはいかないから、わざといかつい顔をしているとか。

ドラゴンを倒そうと夢見る勇者の為に怖そうなメイクをするとか。

つぶらな瞳の優しいドラゴンがこのホテルの中でなら自分の好きなことを我慢せずにいられました。

いかついメイクするのは面白かった。

ドラゴン=怖い、倒すもの

というイメージを守っているドラゴン

優しいドラゴンがいてもいいんですけど、彼が優しい性格だから健気に求められる姿を演じようとしていたんですね。

雷に驚いて火を噴いてしまい客室を燃やしてしまったドラゴンは、やっぱりドラゴンなのだと落ち込みます。

そんな彼をみちるや女将達がさりげなく元気づけました。

ドラゴンが自分の住む谷のお花畑をいかつい顔で見るのではなくて、好きなように過ごしてくれるといいですね。

 

みちるが人外を視える理由は小さい頃に鬼と影踏みをして鬼から影を盗んだことがきっかけでした。

その鬼が影を取り返そうとやって来るのですが、この鬼がとても素直なんです。

影を戻す方法を誰も分からないので色んな方法を試すしかなく、力仕事は率先して行うし匂いや音に敏感でとても役に立つのでホテルで働くことに。

人間とは違って気持ちに素直で迷いがない。

狼男がみちるに襲い掛かろうとした時も鬼が相撲をしようと提案して狼男の願いを叶えました。

仕事熱心で驚きです。

影を返してしまうとみちるはこのホテルで働くことができなくなるので、影を返せないことが複雑な様子。

 

人外と人の関係性はどの漫画でもいろいろ書かれていますが、この漫画もホテルの娘が吸血鬼と駆け落ちをしていました。

今後、その話も進展がありそうで楽しみです。

そして、みちるは影を返さないといけない時がくるでしょうね…。

別の方法で人外が視えると良いんですが。

 

 

 

 

 



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