感想『送魂の少女と葬礼の旅』路那 1巻

ヒューマンドラマ・ファンタジー

※ネタバレあります。ご注意ください。

あらすじ

“精霊”とは神の力が生物の形となり、地上の降り立ったもの。

精霊により大地に草木が芽吹き恵みがもたらされる。

そして人々は精霊の下に村を作り、恩恵を受けながら生活をしている。

しかし、精霊が亡くなると恵みではなく呪いを与え始める。

精霊の魂が体内で苦しむことで黒い呪いを出し始め草木を枯らし始める。

呪いを浄化するには体内の魂を解放させなければならない。

呪いに触れると体が灼かれてしまうため普通の人では解放できない。

そこで、呪いの耐性をもつ者たち”送儀師”がその役目を担うことになった。

送儀師であるアルピとその助手ペレナイは修行の旅をしていた。

同じ送儀師である両親から旅先から手紙が送られてきていたのだが、ある時から手紙が来なくなった。

手紙に書かれている場所を巡って両親を追いかけている。

ある村に着くと、精霊が亡くなって呪いを出し始めていた。

アルピは村人達に協力を得ながらすぐに準備に取り掛かる。

普通の人では触れることさえ難しい呪いの中をアルピは入っていく。

しかし送儀師も激しい痛みを感じる。

アルピは焼ける痛みに耐えながら精霊の体を包丁で切り裂く。

すると中には光る魂があった。

魂を取り出し無事に葬儀を終えるとアルピはその場に倒れてしまう。

これは自身の命を懸けて魂を送る送儀師の少女アルピの物語。

 

感想

可愛いアルピが身を灼かれながら魂を送る。

そして呪いはアルピの体に蓄積されていく。

なので定期的にアルピ自身を浄化しないと体がもたない。

呪いを受ける時も苦しみ、浄化するときも苦しむ。

呪いの耐性があるだけで痛みを感じないわけではない。

与えられた役目とはいえ、これはあんまりだと思いました。

それでもアルピは送儀師としてやるべきことをやります。

第2話の湖の村では、精霊は湖の上で亡くなってしまっています。

呪いは湖から外には広がらない。

それでも、アルピは祠にささげられている花束を見て村人達が精霊を送ってあげたいという気持ちを知り、魂を解放させる。

送儀の陣が必要になるが、湖の上では陣が描けない。

それでも、できるかもしれないことはやらなきゃ。

アルピは諦めませんでした。

亡くなったものを見送ることができないと、ずっと後悔することになる。

アルピは両親を見送ることができなかった。

だからこそ、同じ思いをさせたくないのです。

アルピの葬儀の仕方はまだまだの様で、腕を磨けと言われています。

同じ家紋の送儀師も似たような葬儀をしていた。

おそらく両親も今のアルピと同じような葬儀の仕方をしていたのでしょう。

送儀師はどこにでも居てすぐに出会えるものではないようで、タイミングが悪いと精霊の呪いによって村が無くなってしまう。

生かすも殺すも神次第なんですね。

第4話と5話では人々を守るために、精霊を捕えて力を得ている村の話です。

元々いた精霊が亡くなった時に送儀師を見つけることができず村は一度無くなってしまった。

精霊が亡くなると、再び精霊が訪れる。

新しい精霊を手に入れるために弱った精霊を殺せと領主が言いますが、人の都合で精霊を殺すことはあってはならない。

アルピは精霊を第一に考えて行動します。

アルピは自己犠牲が強い人のようです。

本当にいつか死んでしまう気がします。

助手のペレナイは辛いでしょうね。

 

本当に可愛いアルピが身を犠牲にして自分の役目を果たそうとしています。

絵が可愛いので内容が軽いように見えてしまいますが、そんなことはないです。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました