※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
進路が全く決まらず悩む朝。
やりたいことがあるよでないよであるよでない。
どうしてみんなはそんなに決められるのか。
自分だけ何もないことが、父の”空虚”さと同じだということが、むなしいことだと分かっていながら父との繋がりでもっとも愛に近いものではないかと思いたかった。
朝はあと1年で18歳となる。
心だけを置き去りにして大人になることが恐ろしかった。
感想
朝は素敵な友だちを持ちました…。
カンちゃんとはずっと友だちでいて欲しい。
進路に悩み過ぎたせいか自己肯定感が低くなってしまった朝にカンちゃんが「何もなくなんかないよ」と声を荒げました。
カンちゃん、その年で”ただいるだけで価値がある”と気づいているなんて本当に高校生?
この漫画を読んでいると今どきの高校生ってこんなに大人なのか…?と思わずにはいられないですね。
朝とカンちゃんのやり取りを見た社会科の先生が良い事言いました。
“わたしたちには元々価値と自由があり、何者にも脅かされてはいけない”
社会の授業で習う、基本的人権。
とても素敵な権利ですよね…。実際はどうだか分かりませんがそう思うことが大事。
そしてずるい大人は解決しない問題はSDGsとずるい言い方をしながら向き合う。
問題をずるずると引き延ばすのはよくあります。
朝が色々と悩んでいますが、大人になっても心はずっと子どものままですよ。
笠町が前に言っていましたが”大人している”だけで大人ではない。
私はどんどん精神年齢と実年齢の差が大きくなってきて大変なんですよね…。
槙生が中学3年生の時には姉とはとても仲が悪かった様子。
確か槙生と姉の実里とは7歳ぐらい離れていた筈。
そしてここにきて実里は体が弱くて学年が遅れていたという新情報。
槙生が中学3年生の時、実里は大学生かな。
実里は相当苛立っています。
就職活動でイライラするには早いかな?実里の完璧さを求める性格のせいか?
学年が遅れているという障害は大人になっても続いていたのでしょうか。
実里が朝の父を選んだ理由が少し見えてきました。
ものごとをジャッジしないところが好きだったようです。
自分にも他人にも厳しい実里には救いだったでしょう。
でもちょっと空虚すぎやしませんか。
実里も朝の父ももういないのですが、二人の本音が分かる時がきてほしいです。
槙生が中学時代から小説を書いていて、その時の友人 松島に書き続けろと背中を押してもらったから今の槙生がいる。
松島は槙生にとってとても重要な人物だと思うんですが、
5巻で槙生が”大事な人が死んだことはないけどとても悲しいことはあった”と言っていたからもしかしたて松島のこと?と頭をよぎってしまいました。
悲しいことがなんなのかが分かる時がきてほしい。
朝も18歳になり、50話が1話の話だったりと終わりが近づいているような気がして怖くなった10巻でした。