※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
シーヴァの元へ白い布を被った人がまた来て建物の最上階へ案内してくれた。
小窓から外を見ると城が良く見える。
その人は内つ国の地図を見せたくてシーヴァを牢から出したのだった。
地図は半分以上が真っ黒で、黒い部分は王が潰した土地を指している。
呪いに蝕まれる度に国は小さくなっていくのだ。
その地図を見ると、まだ残っている国の真ん中に黒い部分があった。
窓から見えるその場所は、呪いが突如流行り多くの人が処刑され囲いも造られ捨てられた街。
その街は葉をつけない木が生えていた。
王は呪いのことを調べていた。未だかつて呪いの解決策は一つもなかったのに突如シーヴァというはっきりとしたものが導かれた。シーヴァは何者なのか。
文献に載っていないのならばと王は神父を探すが聖堂にいなかった。
神父を探していると旧聖堂へ向かっているところを見つける。
後を追うと、父の石碑の石台が動かせるようになっていて、地下へ続く階段があった。
階段を下りていった先には、禁書が納められた部屋があった。
感想
話が難しくなってきました。
内つ国の神である父、外つ国の神である母。
父と母は天や地などを作り世界を作った後、父と母の一部を分け与えられた『命』を作りました。
『命』は魂と肉体。
そして、呪いによって内つ国と外つ国が城壁で隔てられた時に『命』も二つになった。
隔たれた時、父は母のほとんどを奪いましたが母に自分の身体を奪われてしまう。
父は奪った母の一部を使って内の者を作った。
母は奪った父の身体を使って外の者を作った。
内の者とは母の身体『魂』のこと、外の者とは父の身体『肉体』のこと。
内の者は恐怖の対象である外の者の母から作られていたという衝撃的な事実に王は困惑します。
父は奪われた肉体を手に入れるために、自分で外の者を呼び寄せました。それが国の中央での悲惨な出来事の真相。
父がシーヴァを欲するのも、肉体が目的。
シーヴァは父と母のものを両方持つ、唯一の『人』
内の者も父の身体の『肉体』を持たない不完全なものだった。
中央での悲惨な事件を神父は仕方がないことだと言ったことに王は怒ります。
しかし、シーヴァの身体と魂を分ける儀式、国を救えた筈の儀式をやりとげれなかった王に神父を怒る資格はない。
王は神父に刺され儀式を神父が勝手に行おうとしますが王によってシーヴァは逃げることができました。
王は負傷しながらもシーヴァを処刑しても救われないと儀式に参列していた人々に伝えますが、皆は神父と父を信じます。
父は絶対の存在、そう簡単には王の言葉を信用できるわけがありません。
王は最後は悔いがない表情。化け物でもない『人』であるシーヴァを守ることができた。
結局、内つ国は呪いから解放されずじまい。王も亡くなってしまい大混乱でしょうね。
外つ国に戻ったシーヴァは木になりかけていたせんせに魂を返します。
そして、せんせは元の外の者の姿に戻り、シーヴァは外の者の姿になってしまいました。
シーヴァは望んでせんせを助けたのですが、せんせが喜ぶとは思えません。
シーヴァとせんせのどちらか片方しか救えないというのが悲しいですね…。