※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
スポーツインストラクターをしている茶農家の娘、花ノ木茶子、28歳。
彼女が彼氏の実家に結婚の挨拶へ行くと、彼の母が帰ってきた夫の足を拭くという異様な光景を目の当たりにする。
衝撃的なものを見せられた茶子は夢で見るほどのトラウマを植え付けられてしまった。
そしてなによりも怖いのは、3年も付き合っていた彼がそんな素振りを一切見せなかったこと。
ある日、茶子がトラウマの夢で目が覚めるとどうやって家に入って来たのか元彼が馬乗りになって「おはよう」と声をかけてきたのだ。
茶子はすぐに被害届、退職届、住民異動届を出して元彼から逃げるために実家に帰ることに。
4年ぶりの実家へ行くと、台所で知らない女の子が遊んでいた。
状況が掴めない茶子。
そんな茶子と女の子の前にゴキブリが現れ、触ろうとする女の子に茶子は慌ててこちらに来るように促すが、女の子が動いたことでゴキブリが茶子の方に飛んできてしまう。
パニック状態の茶子がゴキブリを足で退治していると、知らない男性が慌ててやって来た。
いっしんと呼ばれる男性は茶子を見るなり「やぶきのファンか」と追い出そうとする。
茶子は自分はやぶきの妹だと説明し、いっしんこと加佐志一心から実家の状況を教えられる。
兄は副業で物書きをしており、女の子は兄の娘であり、一心が4年前から兄の代わりに茶を作っていた。
無職となり少し身を置かせてもらう代わりに手伝おうと思って帰ってきたという茶子に、一心はこの仕事は女が容易にできるものではない、なめるなと冷たい視線を送ってきた。
それに対し茶子はケンカ腰に出ていかないと反応する。
かくして、茶子、一心、ふたばの3人生活が始まったのだった。
感想
元カレが怖すぎます。
結婚挨拶の際の彼の母親が異常で恐怖を覚えますね。
田舎の悪しき風習というのはネットで話題になることがありますが、本当にあるんでしょうね。
どうして帰ってきた旦那の足を妻が拭くのでしょうか。
足が汚れる仕事?家を汚さないため?
理由はなんであれ自分で拭けよ、子どもかよ、と思わずにはいられない。
元カレと3年付き合ってても気づけなかったですが、結婚挨拶の時に分かって本当に良かった。
結婚するまで隠されていたらどうしようもない。
実家まで追いかけてきた時の元カレの顔が…。狂気の沙汰ではないです。
茶子は元カレから逃げる為、一心は度々くるお見合いの話から逃げる為、二人は偽装結婚することに。
二人の仲はとても悪いのですが、兄の娘であるふたばの為に仲良し演技をしないといけない。
ふたばちゃん、とっても可愛いのですが少し面倒くさい。
「はい、あーん」しないの?
「いってらっしゃい、ダーリン♡」しないの?
など、そういう話が大好きなお年頃で二人は困惑。
母を亡くしたふたばは茶子と一心とばらばらになることを怖がっているので、二人はふたばの為に偽りでも家族でいようとします。
でも、仲良しアピールをするのは大変ですね…。がんばれと応援したくなります。
兄の代わりにお茶を作っている一心。
見た目も悪くなく社交性もあるようで、周囲から人気がある様子。
良い人そうなので、このまま偽装結婚しつづけても問題ないかもしれない。
茶子の幼馴染、仁が意味深なことを言っているのでそのうち一心について何かが分かるかもしれないですね。
茶子は「これだから女は―」というような言葉にトラウマがある様子です。
私の周りにはそういう男性はいないのですが、言われ続けると嫌になってくると思います。
茶子が”いつになったら終わるの、こんなこと”と苦悩しているので、男尊女卑のようなテーマもあるのかもしれないですね。
茶子は一心のように20kgもある肥料を何個も運べないし、4kgの機械を長時間持つのは難しいですが体力はありそうです。
余計なことを考えずに疲れ果てて寝ようとした茶子は、ランニング6km、スクワット100回、腹筋100回、腕立て100回するんです。すごいですよ。
見習いたい。
茶子と一心がお互いに惹かれあって偽装ではなく本当に結婚をすることになるとは思いますが、その過程がどうなるか楽しみですね。
茶子と一心、ふたばの瞳が3人とも同じ緑色で、家族みたいで良いなぁと和みました。