※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
憎しみ合う『夜族』と『血族』でも、交渉が行われることがある。
その為に中立的な立場において、橋渡しとなる存在がいる。
血族の集会で橋の居場所の情報を得たアシャフ達。
ダンウォードの弟がその橋渡しをしていた。
女王の居場所を尋ねるダンウォードだったが、弟は夜族と血族でもないダンウォード達に教える義理はない。
しかし、ダンウォードはギドを土産として弟個人と取引しに来たと言う。
弟は個人的な取引ならとダンウォード達を食事に招待した。
食事中、下らない話ばかりする弟にダンウォードは本題を切り出す。
ダンウォードがギドを取引材料として話を進めるが、オスカーがダンウォードの一存で決めて良い事ではないためギド本人と交渉するようにと口を挟んだ。
弟は女王の居場所を教える代わりにギドに半日ほど自分の女になれと言った。
ギドも魔女に繋がるからと了承するが約束を守るとは限らないため契約魔術で縛れと念を押す。
しかし弟の雰囲気が一変し、ギド達は女王への貢ぎ物なので自分の女になれというのは冗談だと言った。
ギドが気が付いた時にはアシャフは気絶しており、ギドも弟に捕えられてしまう。
アシャフ達が次に気が付いた時には鎖で繋がれ牢にぶち込まれていた。
ダンウォードが弟と共犯だったのかは今の時点では分からないが、この世界を知り尽くした彼が異変に気付かないはずがない。
アシャフの身体が動くようになり鎖を取ることができた二人が脱出しようすると、女王直々に二人の前に現れた。
女王から上手く逃げたアシャフ達だったが、女王は魔術を使い追いかけてきた。
吸血鬼であるはずの女王が魔術を使えるはずがない。
驚いているアシャフ達に女王は一撃を喰らわす。ギドは捕えることができたが、アシャフには逃げられてしまった。
弟は二人が牢から抜け出したことで女王からお咎めを受け、彼女の手で最も信頼していた部下が殺されてしまう。
女王が去った後、彼女が近くまで来ていたことを知ったダンウォードは弟に何故黙っていたのかを問い詰めた。
ダンウォードの言う通りに拘束していたのにも関わらず二人は逃げ出し、女王も腹を立て、弟も機嫌が悪いのだ。対価もなしに何でも得られるわけはない。
弟はアシャフを捕えて差し出せば女王に拝謁できる可能性があるとダンウォードにアシャフを捕ることを命令した。
取引を飲んだダンウォードがアシャフを探そうとしていると、ギドを取り戻すために力を貸せとアシャフの方から姿を現した。
感想
時々ギャグのような場面がありますが、始終暗い。
食事中の弟の人肉の話が一番気味が悪かったですが、吸血鬼なのでそんなものでしょう。
アシャフとギドを眠らせた時、ダンウォードは弟の企みに気が付いていたにもかかわらず黙っていた。
その時点でダンウォードと弟の取引は成立していました。
アシャフとギドが牢から抜け出してしまった為、ダンウォードが女王へ会う機会が一度失われてしまいました。ダンウォードの思惑通りにはいきませんでしたね。
アシャフとギドの信頼関係はなかなか強いです。
ギドはアシャフがダンウォード達を問題ないと思っているのなら問題ないのだろうとアシャフの判断を信用していますし、女王から攻撃を受けた時もアシャフの魔力の枯渇を避けるために盾になりました。
そして牢での愛を教えろシーン。キスをするかと思いきや、そんなわけはないですよね。
愛には力があるのではと思っているギド。今すぐ愛を理解させろと無謀なことを要求します。
身体が動くようになり、愛を教える為ではなく鎖を取るためにギドに近づいたアシャフ。
アンジェラとの一件で神経をとがらせていたギドは、アシャフに前触れなく触るなと伝えました。
前以上に反射的に殴ってしまうのでアシャフに注意を促したギドでした。
アシャフもギドのことを特別な感情だけでは済まないほど大事にしている。
ギドを救出することが最優先事項であるアシャフは、一度嵌められた相手だろうと利用するものは利用し、自分の頭を機械化するという無茶も厭わない。
アシャフのギドに対しての感情は何なんでしょう。
プライドの塊であるダンウォードの本当に微かな罪の意識から、力を貸せと言うアシャフに同調できなかった。
フォローに入るオスカーに恥ずかしそうに声を荒げるダンウォードですが、アシャフとオスカーには効きません。
アシャフとオスカーに言われるだけ言われて何も反論できないダンウォードが面白い。
女王はアンジェラから寵愛を授かっていました。
魔女の口づけは呪いと寵愛の二つを与えることができるそうです。
自分の力で鎖を壊したギドは、壁に掛かっていた吸血鬼の再生を遅らせることが出来ると思われる斧を手にします。
ようやく、ギドが暴れ始めます。楽しみですね。
前髪が乱れたアシャフがかっこよく、昼間のギドの服装が可愛い7巻でした。