※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
業者さん達とのクリスマスパーティーが終わり、かざりを片付けていると少し早く本日のお客様がいらっしゃった。
すすだらけの男性は女将さんが言うには「クリスマスには絶対に参加できない人」とのこと。
男性はまずはお風呂を頂きたいというのでみちるは案内した。
みちるが預かった男性の服を洗濯しているとみるみる服が綺麗になり本来の赤い服となった。
本日のお客様はクリスマスに絶対に参加できない、サンタさんだったのだ。
子どもたちから預かった手紙を一年かけてゆっくり読むというサンタさん。
早速手紙を読んでいたサンタさんは喉が渇いたので厨房へ向かった。
試作品を作っていた瑞希がホットココアを渡すと、サンタさんは15年前に瑞希に会っていたことを覚えていたのか大きくなったとしみじみしていた。
サンタさんは15年前に瑞希と会うよりももっと前からサンタとして仕事をしている。
そんなサンタさんにかわりのない仕事は辛くないのかと瑞希は尋ねる。
瑞希もサンタさんと同じようにかわりのない仕事をしている一人。
悩む瑞希にサンタさんは大切なことを教えてくれたのだった。
感想
3巻も面白かった。
かわりのない仕事をしているサンタさんの覚悟。
暮らしていた村を人間によって滅ぼされ、人間になる覚悟をした人魚。
生きづらくても吸血鬼と人間の世界で暮らすと決めた伊吹。
”覚悟”がテーマのように思ってしまいました。
サンタさん、何年サンタの仕事をしているのでしょうね。
愛している仕事でも苦しくなるときはある。
その苦しみも受け入れて覚悟を決める。
優しい顔をしているおじいちゃんですが、意志は固そうです。
サンタさんも瑞希も変わりのない仕事ですが、同時に代わりがいない仕事。
自由がない彼らの思いは私には理解しきれないし、代われませんが仕事を続けてほしいなあと思ってしまう。
人間は金が絡むと本当にろくなことをしませんね。
人魚の肉ほしさに、人魚の村を襲って人魚を殺してしまった。
その人間に復讐する為に人間になった人魚。
憎き人間が探しているものを自分の手で断ち切るのが復讐。
人間になれても声を失って歩くたびに痛みが走るなんて…代償が大きすぎませんか…?
彼女の涙が真珠から雫に変わった描写がとても良い。
歩く時の痛みだけでも…。
座敷童は本当に大女将にそっくり。
大女将の子どもの頃の姿と瓜二つ。
座敷童が住み着いていた家は大女将が小さい頃にお世話になったお家。
座敷童はずっと大女将のことを覚えていた様でお礼を言いに来てくれました。
いたずら好きですがいたずらが可愛いし笑顔が可愛い。
次の家でも楽しく過ごしてほしいですが、座敷童に出て行かれないように家の人を応援したい。
吸血鬼と出て行ったツバメ屋の娘、伊吹。
すぐに謎が解決してしまいました。
吸血鬼もまさか元は人間だったとは。
女将も瑞希も伊吹も、3人とも前髪がセンター分け。家族だから??
番頭さんがちゃんと描かれていたし、喋りました!
顔がドアップなのは笑ってしまいました。
伊吹が自分の意志で決めたことの様で、女将も安心ですね。
みちると瑞希の二人の関係は進展があったのかなかったのかという感じでしたが、これから少しずつ進展してほしい!
伊吹の問題が解決してしまったので、残っているのが鬼に影を返すことだけ。
影問題もすぐに解決してしまうのでしょうか…。