感想『錬金術無人島サヴァイブ』著 保志レンジ/原作 伊口紺 1巻

ファンタジー・サバイバル
出典:著 保志レンジ/原作 伊口紺『錬金術無人島サヴァイブ 1』


※ネタバレあります。ご注意ください。

 

あらすじ

アビシル連邦とモルト共和国は戦争中。

クルデーア基地へ建設用資材を輸送中のアビシル連邦軍大型輸送機の格納庫で錬金術師のニコは鍵を錬成していたが何度やっても失敗ばかりで悩んでいた。

同時刻、厨房ではただ一人の炊事班ジンが慌ただしく料理をしていた。

さらに同時刻、モルト軍のタクミはアビシル連邦軍に捕まりニコ達のいる大型輸送機に収容されていた。

資材の輸送中、一機のモルト軍戦闘機が接近し輸送機は攻撃を受けてしまう。

その攻撃でメインエンジンが被弾し輸送機は墜落してしまった。

一命を取り留めたニコが他の生存者を探すと、タクミが手錠を外そうとしているところに遭遇する。

タクミに銃を向けて発砲しようするが、ジンに止められる。

ニコはモルト軍の落とした爆弾で妹を亡くしていた。

しかし、モルト共和国はアビシル連邦軍に輸送船を沈められていたせいで食糧難となり、飢えと寒さで亡くなってしまう子どもたちがいた。

タクミもまた満足に栄養を取れていない被害者だったのだ。

三人は地図を広げ現状確認を行うと落ちた場所は地図にも載っていない無人島で、輸送機に取り残されたのは三人だけの様だった。

錬金術師のニコ、炊事班のジン、モルト軍で元大工のタクミの3人が国に戻るために力を合わせて無人島をサバイバルすることになったのだった。

登場人物

  • ニコ(女性)

  アビシル連邦の軍人

  錬金術のスキルはあるがレベルが低いため小さな鍵すら錬成できない

  • ジン(男性)

  アビシル連邦の軍人

  大型輸送機内で唯一の炊事担当

  • タクミ(男性)

  アビシル連邦に捕えられていたモルト共和国の軍人

  元大工

感想

読んでいて「へぇー!そうなんだ!」ということが多くて面白かった。

錬金術がある世界ですが、産業技術も高いです。

タイトルにサバイバルとついていますが、想像していたサバイバルではなかったです。

墜落した輸送機に鉄はいくらでもあるし、何と言っても錬金術師がいる。

錬金術師のニコがいなかったら質の高い生活は送れなかったでしょうね…。

空き家の屋根も直すし、井戸を掘る機械も造るし、お湯を沸かす熱交換器も造ります。

サバイバルとは…?とは思いますが、機械工学が好きなら面白いと思います。

 

ニコはしっかりとしたイメージがないと錬成できないようで、ここでタクミの分かりやすいスケッチが役立ちました。

ニコはタクミのことを認めてはいませんが、生き延びるためになんだかんだ力を貸します。

3人とも弱音を吐かずに生き延びる為に動きます。

適応力が高すぎて凄いとしか思えない。軍人だからでしょうか?

ニコは女性ですが、女性だからという場面はなく本当に働き者。

ジンの料理は本当に美味しそうで、鯖缶のアヒージョは私も食べたい!!

ジンがニコとタクミの間を取り持ち、リーダー的な役割。

敵国であっても今は敵ではないし、今は厳しい自然環境が敵だとジンがニコに説得していました。

その通りですよね。死んでしまったら意味がない。

 

実際、無人島で複数の人が集まっても、この3人のようにはいかないでしょうね。

知識と技術の問題もありますが、何よりここまで協力できるとは思えない。

裏切り者が出てきそうです。

 

2巻もサバイバルするようですが、救助がくるまでサバイバルしつづけるでしょうか。

あるいはニコが船を造るのか、それともここに住み続けるのか。

 

2巻も雑学を楽しみに気長に待ちましょう。

ニコは服を取り返すことができるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 


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