ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
小説家の高代槙生(こうだい まきお)は、交通事故で亡くなった姉夫婦の娘、田汲朝(たくみ あさ)を引き取ることに。
しかし、その場の勢いで引き取った槙生は自分が人見知りということを忘れていたため、自分以外の人間が家の中で動いていることに戸惑ってしまう。
朝はそんな槙生をへんな大人だと思いながらも素直に受け止めていく。
人見知りな槙生と素直な朝との二人暮らしがはじまる。
感想(ネタバレあり)
自分は何か変なのではと不安になった時に読みたくなる漫画です。
二人のほのぼのとした日常漫画かと思いきや、全く違いました。
小説家で人見知りな槙生ですが、しっかりと考えを持っていて言葉の重みを良く知っています。
でもあなたの感じ方はあなただけのもので、誰にも責める権利はない
両親が亡くなって、悲しいのか悲しくないのか分からない朝に、槙生は「悲しくなるときがきたらそのとき悲しめばいい」と伝えます。
槙生の言葉に、朝の心は軽くなります。
感じ方や考え方が人と違うことを不安がる必要はない。何を感じるかは人それぞれ、何を思うのも自由なのです。
槙生は上辺だけの言葉を言いません。だからこそ言葉が響いてきます。
槙生は会って間もない朝に対して、姉の事は嫌いだったとはっきり言います。あなたを愛せるかどうか分からないとも朝に伝えてしまいます。ここまで取り繕うことをしない大人を見たことがありません。
思ってもいないことは言わず、言う必要がないと判断した事も言わない。もしかしたら、誰もが思い描く理想の大人かもしれません。
朝にとってそんな槙生はへんな大人です。
ある日、槙生の友人の醍醐奈々(だいご なな)がやって来ます。朝は”大人が友達している”姿を見たことがなく、槙生や醍醐が大爆笑をしたり、口調が悪くなることに驚きます。
思えば、子どもの頃は大人と言えば両親や先生ぐらいで、それ以外の大人を見ることはほとんどないですよね。朝が驚くのも分かります。
第5話で槙生が元カレの笠町信吾(かさまち しんご)に相談をします。笠町はまだ槙生が好きなようで、彼女の一言で人生が変わったと話していました。
笠町にとって槙生の存在が大きいように、朝にとっても槙生は大きな存在になるのでしょうね。
槙生の言葉に重みがあり、考えさせられる漫画です。
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