感想『違国日記』ヤマシタトモコ 6巻

ヒューマンドラマ
出典:ヤマシタトモコ『違国日記 6』


※ネタバレあります。ご注意ください。

 

あらすじ

朝が両親の死を受け入れてから10日後、朝は久しぶりに登校した。

朝が所属する軽音部は冬公演があり、オリジナル曲は優遇されるというのでバンドメンバー各自で歌詞を考えることになった。

槙生が小説なんか誰でも書けると言っていたし楽勝だと思っている朝は帰宅する電車の中で歌詞を考え、早速槙生に見せる。

すると槙生が顔を赤めるので朝はその反応に驚く。コツを教えてと言えば槙生は朝には全く理解できない言葉で喋るので朝は不満そうな顔をしたのだった。

感想

朝の両親が亡くなってから1年が経ちました。

どこからか湧いてくる怒りに飽きてきた朝。

恋愛をしないと決めたコトコ。

同じ塾の女友達が好きなえみり。

せっかくなら考えすぎるほど考えて苦しんで生きたい槙生。

色んな人のことが分かってきました。

恋愛関係の話が大好きな朝にえみりは朝とはこういった話はもうしないと言います。

男子の話をすれば朝が付き合わないのかといちいち聞いてくるので、これはうざい。

バレンタインの日の朝の”世界中であたしだけが恋してないみたい”という恥ずかしい言葉。

CMや広告のキャッチコピーのようなセリフに思わず笑ってしまいました。

朝が誰かと付き合えばいいのにと思うのですが、朝自身の恋愛関係の描写が一つもない。

朝はもしかしたら恋愛が必要ない人なのかもとは思いましたが、両親の死に向き合うので精一杯なだけかもしれない。

両親の死を実感し、学校にいるカウンセラーの女性と雑談したり、自分の心を少しずつ見つめ始めました。自分の孤独とどう向き合っていくのか模索中です。

そしてえみりが自分が人と違うと気にしていた理由が分かりましたね。同じ塾の女友だちが好きみたいです。

会話を思い出すだけでにやけてしまうえみり。相手もえみりのことが好きみたいです。

槙生のスランプ事件。事件というほどでもないですが、笠町とジュノさんがやって来ます。

笠町が来ても顔を出さない槙生に朝は厳しくした方が良いと言いますが、笠町は厳しくされてもいいことがない事を身をもって知ってます。

本人が望んで厳しくしているのならまだしも、無理やり与えられた厳しさはどうなるか分かりませんからね。

槙生が甘やかしてほしいと言っている訳ではなく笠町本人が好きでやっているので好きにやらせておけば良いのです。

ジュノさんも良い人です。朝とは大学入るまでか成人するまでの関係だと思っている槙生でしたが、ジュノさんが甘いと返します。

人との関係はすぱっと終わるものではない。何かしら槙生と朝との関係は続いていくことになる。

悪魔の契約の様だとジュノさんが例えます。恐ろしい契約ですね。自分では契約を解除することができないんですから…。

 

若いころの槙生と醍醐、もつ、コトコの正月集まり会。

私も友だちとデパ地下で食べたい料理買ってお酒も買って宅飲みするのですが、あれは本当に楽しい。

大人になって良かったと思える瞬間ですよね。

 

…自分が誰で 何を愛して愛さなくて どうやって…生きていくのか 

…わかる日がくるのかなあ

分かる日はくるのでしょうか。

 

 

 



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