※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
家の中にいないシーヴァを必死で探すと、木の下でしゃがみこんでした。
身体も弱っているのにどうして外に出たのかと聞くと、シーヴァはせんせのロケットペンダントを見せてくれた。
せんせに何かしてあげたくてシーヴァは雪の中探していたのだ。
シーヴァの手も黒くなっていて、呪いは急激に進行していた。
せんせが自分のせいで呪われてしまったと言うが、シーヴァはせんせに触れられる前から呪われていたのだと告白した。
呪いは解けないことをシーヴァは知っている。呪われたことをせんせに伝えたら、悩んでくれることも分かっていた。せんせはいつも頑張ってくれているから自分も頑張ろうとしていたのだ。
シーヴァはせんせにどこにも行かないでと抱き着いた。
せんせはシーヴァの心を知ったことで決心し、兵の落としていった剣で自分を貫いたのだった。
翌日、シーヴァが起きると呪いの跡がなくなっていた。早速せんせに伝えようとしたが姿がなかった。
せんせを見つけ、早く家に戻ろうと言うがせんせはシーヴァを追いかけてこない。
せんせの手を引っ張りながら家に着に戻ると、屋根の上にいた外の者達がシーヴァは呪われていたが跡がなくなったと話しはじめる。
しかし、せんせはシーヴァとはなんだと言うだけだった。
せんせは自分の魂をシーヴァに渡したことですべて忘れてしまったのだ。
そんなはずはないとシーヴァがせんせに今までの出来事を教えるが、せんせには伝わらない。
せんせの角の代わりの枝を探していると、兵達に囲まれてしまった。
反応しないせんせはすぐに倒され、シーヴァは捕まってしまう。
シーヴァは馬車に乗せられながらもせんせを何度も呼ぶが、せんせはシーヴァの方ではなく森の方へ歩いて行ってしまった。
翌日、内つ国の王によってシーヴァの魂と身体を切り離す儀式が行われた。
始終大人しいシーヴァ。王が最後に言い残すことはあるかと尋ねるが、シーヴァには伝える相手はだれもいない。
思い出すのはせんせとの楽しい日々。泣き出してしまったシーヴァを見て、王は悲痛な表情を浮かべながら剣を構えた。
しかし、王の持病の発作が起きてしまい中止となってしまう。
それから3日目、シーヴァが牢で大人しくしていると入口からシーヴァの靴が投げ込まれる。
入口近くに一人の男性がいるようでシーヴァは話しかけられた。
男性は王のことを話す。王は臆病で気が弱く、心臓に病を抱えていた。
シーヴァがいる牢も悪い人を閉じ込める為ではなく、呪いが掛かった人が本当に呪いに掛けられたのか白黒はっきりさせるために王が作った建物だった。
自ら剣を握ることができず、血を見たくない王の浅知恵の結果の建物だったのだ。
でもこの建物で守れるのは城下町までの範囲だけ。
王だけでなく兵も人を殺めたくない、皆が呪いから救われたいんだと男性は言った。
そして、男性はシーヴァの靴の中にあったせんせのロケットペンダントについて尋ねた。
男性は何故かシーヴァの名前を知っていた。シーヴァがロケットペンダントを開けると”シーヴァへ”と刻まれていたのだった。
感想
せんせもシーヴァもとても優しいですね。
お互いをこれほど想っていても報われない状況なのが辛いです。
シーヴァは自分が呪われはじめていると知っても、せんせには伝えなかった。
伝えればせんせはきっと一人で悩んでしまう。せんせが頑張って呪いを解こうとしてくれているのだから自分もと頑張っていました。
呪いなんてへっちゃらだと言いますが、へっちゃらなわけはないんです。
せんせはシーヴァの気持ちを知って自分の魂をシーヴァに渡してしまい、シーヴァのことを忘れてしまいました。
呪いが解けたとしても、せんせが忘れてしまって傍にいないのならば意味がないのに…。
兵達に連れていかれる時、シーヴァが何度もせんせを呼ぶのにせんせはシーヴァの方ではなく、森の中へと行ってしまう。どれだけ叫んで伝えてもせんせには届きませんでした。
せんせは呪われてから暗闇を彷徨うような感覚だった。
しかし、そこにシーヴァというせんせには十分すぎる光が現れた。
シーヴァには自分と同じ暗闇を味あわせたくはなかった。
シーヴァのことを大事に思うのなら自己犠牲だけはしてほしくはなかったです。結局はせんせの自己満足にすぎないと思います。
儀式当日、台座に横になったシーヴァに王が言伝はあるかと尋ねますが、シーヴァには伝えたい相手はもう誰もいないんです。せんせとの楽しい時間を思い出して泣き出すシーヴァを見て、王も辛そうな顔をしています。
人を殺すことができない王にとって、最初で最後であろう人殺し。王が発作を起こしたことで中止となりますが、王にとっては良かったのか悪かったのか。
シーヴァはペンダントを見てせんせと一緒にいたいと立ち直りました。
シーヴァの思いがせんせに届けばいいのですが…。