感想『魔女と野獣』佐竹幸典 5巻

ダークファンタジー・バトル

※ネタバレあります。ご注意ください。

あらすじ

魔剣欲しさに単独行動していた処刑人。

その彼と組んでいた彼の兄が弟と禁具の行方を尋ねる為、外套の内側の先”異次元”にギドを攫った。

しかし、その空間にギドが探していた魔女”アンジェラ”もいたのだ。

処刑人の外套はこの世に二つとない。アンジェラは見ただけで模倣していた。

アンジェラを見た瞬間、立ち上がり彼女に襲い掛かるギド。

誰にも見つかるはずもなく、誰も動くことができるはずのない空間で動くギドとアンジェラに驚く処刑人。

アンジェラはギドに会うために街に魔女がいるという噂を流していた。

呪いを解こうとするギドだったがアンジェラは道標を残して去ってしまう。

アンジェラと再会したことで、徐々に変化していた筈のギドはアシャフと出会った頃に逆戻りしてしまった。

アシャフとギドは3年前、第5大陸のとある村で出会った。

魔女は村で静かに暮らしていたのだが奇妙な事件が相次いで起こっていた為、魔女を保護しに来たアシャフ。

自分に呪いを掛けた魔女を探しにギドも村に来ていた。

この村に住む魔女ハンベルは言葉によって魔術を使う、召命魔術の使い手。

彼女は呪いを掛けられ声が出ないため魔術を使うことが一切できないのだった。

しかし、この村で起こる奇妙な事件はすべてハンベルのせいだと住民から非難されていた。

この事件はハンベルの持つ召命魔術を奪うために処刑人が企てたものだったのだ。

感想

5巻で世界の全貌が分かりましたね。

世界には大陸が8つあり、最も影響力の持つ世界聖教会教団の本拠地は第1大陸にある。

東から順番に第2、第3と大陸があり、第1大陸に近い大陸ほど魔術文明が発達している。

ギドの住居は第7大陸。

一番遠い第8大陸は独自の文明が発達していて、第7大陸も第8の文明のおかげで住むには快適な大陸。

星が丸いのなら第1大陸と第8大陸は隣り合うはずなので、魔術文明は栄えるはずではと思ってしまいました。

今回は2人の魔女が登場。17人中5人の魔女が分かりました。

魔術は文字を使うのが基本ですが、ヘンベルは言葉を使う魔術の使い手”神秘なる魔女”の系譜。

“滅びよ”と言っただけで消えてしまうんですから、恐ろしい魔術です。普通の会話と魔術の言葉を使い分けることができるんでしょうか。「世界よ、滅びよ」なんて言ってしまったら終わってしまいます。

呪いがかかっているので話す事ができませんが、ハンベルを怒らしてはいけない。

ギドの探していた魔女アンジェラは”永遠なる魔女”、不死身ということでしょうか。何歳なのでしょう。

見たものは何でもコピーすることができ、体を入れ替えることもできる。最強の魔女です。

ハンベルに掛けられた呪いはアンジェラの仕業でした。生かすも殺すも言葉一つでどうにでもなる魔術ですから、封印したくもなります。

何十年前にギドは呪われてしまったようなので、ギドも長生きしていそうです。

3年前まで”美味しい”という感覚を知らなかったギド。今までどうやって生きてきたのか不思議です。

早々に目的の魔女が分かってしまいましたが、これからは魔女の道標を辿る話が中心になりそうです。

魔女を追ってついた所は地下世界”階層世界フォール“の吸血鬼がいる世界。

階層世界も17あって、独立した異世界になっている。

真っ黒のゴスロリ風の服着たギドが可愛いです。

 

番外編のギドの取り扱いが面白かった。

1年間の研修をギドがやり終えたのも驚きです。

 

アシャフがどうしてここまでギドの事を大事にしているのか理由が分かりません。

まだ出会って3年。アンジェラと再会して元に戻ってしまったギドに愛を教えたいと言うアシャフ。

どのタイミングで自分の命よりも大事だと思うようになったのか気になります。

 

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