※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
暗号名<黄昏>、男は西国の諜報員。
世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。
そんな時代の中を百の顔を使い分けながら生き抜いてきた彼は結婚、人並みの幸せへの執着など諜報員になった日に身分証と共に捨てていた。
しかし彼に下った次の任務は、1週間で子どもを作り名門イーデン校へ潜り込ませ東の要人<ドノバン・デズモンド>の戦争計画を止めるという無謀なものだった。
オペレーション<梟>
すべてはよりよき世界のため、彼は偽装家族を作ることを決意する。
感想
スパイ、アクション、コメディがいいバランスで繰り広げられている漫画です。
スパイの男、超能力者の女の子、殺し屋の女が素性を隠し互いの利益の為に偽装家族として過ごします。
線が細くて、戦闘シーンもとても読みやすい。
ギャグも面白く、細かい描写も綺麗に描かれています。
かっこいいシーンはかっこよく、ギャグシーンはどのキャラも全力で表情が崩れるので笑ってしまいます。
西国のスパイ、ロイド・フォージャーは冷静沈着な男かと思いきや、とても喜怒哀楽が激しい男です。
孤児院で引き取った人の心が読める女の子、アーニャがロイドの心を読みますが突っ込むこともしばしば。
スパイだから表情豊かでないと情報戦で生き抜くことはできないのかもしれませんが、それにしてもロイドの頭の中は忙しく休まる時がありません。
任務の為の家族、そう割り切りたくてもすでに割り切れていない様子。
スパイ失格です。
しかしロイドがスパイになった理由は、子どもが泣かない世界を作るため。
彼の過去やスパイをする理由を考えれば、割り切るのは難しいですね。
そんなロイドをいつも悩ませるアーニャと妻のヨル。
アーニャもヨルも頭はよろしくない。
アーニャは超能力以外はごく普通のピーナッツが大好きな可愛い女の子。
髪型も可愛いアーニャは娯楽に飢えているためロイドとヨルが夫婦になるように動きました。
2人の心の中を読んでは楽しんでします。
西国一のスパイでも子どもの相手は高難度ミッションで、ロイドがげっそりしてしまうほど。
アーニャはロイドを振り回す達人です。
ヨルは家事は掃除しかできませんが、とても優しい女性です。
弟を育てるために幼い頃から殺し屋の仕事をしていました。
ヨルは頭がよろしくないので今まで弟に殺し屋だとバレていないことが不思議で仕方がない。
ヨルもロイドに負けないぐらい正義感が強い。
しかもロイドが心配するほどロイドの嘘も素直に受け入れ疑うことがありません。
素直すぎるからこそ殺し屋ができるのでしょうね。
この異様な家族のチームワークは抜群でした。
ひったくり犯を捕まえる時に、ヨルとロイドの戦闘力とアーニャの心を読む力が発揮されます。
ロイドとヨルだけでは絶対に捕まえられず、アーニャの存在がとても重要です。
唯一アーニャだけがロイドのこともヨルのことも分かっているのでアーニャがいないと3人は上手くいかないでしょうね。
即席の偽装家族ですが、素敵な家族。
今後の3人の活躍が沢山見れると思うと楽しみですね。
メイン3人以外にも面白い人が沢山出てきます。
名門イーデン校の寮長、ヘンリー・ヘンダーソンが本当に面白い。
彼はエレガントに取りつかれています。
何事もエレガントでなければならず、ロイドのエレガントさに発狂しています。
名門イーデン校試験の回は声に出して笑ってしまいました。
ちなみに、イーデン校にはヨルさんの同僚の子どもも受験しているようで、161ページに登場していました。
ヨルさんがパートナーを連れてくると嘘をついてしまったパーティで同僚の女性が息子がイーデン校を受験する言っていたので探してみたら筆記試験は通過した様子でしたね。
色んな事件を3人が解決していく(互いの素性を知らないまま)のが楽しみです。