感想『おおきくて窮屈なこの世界で。』あすかいくに 1巻

ヒューマンドラマ



あらすじ

幼い頃に両親を亡くした東上七星は叔母夫婦にお世話になっていた。

今日も七星は支度を済ませると教会へ向かう。

七星はミサの後に神父からイタリア語を教えてもらっていた。

今日はイタリアの空を見る授業。神父が指さした空にはなんと飛行機が飛んでいた。

七星は目を輝かせて飛行機の後を追う。

飛行機が着陸すると集まった人々は歓声を上げた。

押し寄せた人々に押しつぶされた七星が神父に救出されていると群衆の中で叔母夫婦の息子、一郎を見つける。

一郎にはいつも冷たい言葉を言われるが七星はそんな一郎にへらっと笑って返すだけ。

そして今回も一郎の言葉に七星がへらへらと笑っていると一郎は思い切り七星の頬を叩いた。

何事だと周りが七星達を見ているなか、一郎は七星に本心をぶちまける。

いつもへらへらしているだけで本心を話す事のない七星に一郎はイライラしていた。

一郎がこんな奴に自分の居場所は渡さないと声を荒げたが、七星はいつもようにへらへらした顔で他に行くところがないからごめんと謝るだけだった。

そんな泣きそうなへらへら顔で笑っている七星にイタリア人兵が近寄り、イタリア語で泣かないでお嬢さんと話しかけてきた。

驚いた七星はイタリア語で自分は男だと答えた。

イタリア語が話せる七星に驚いた兵は七星にイタリアの風景写真を見せる。

兵は写真に感動している七星にイタリアにおいでと誘った。

ここが世界の全てじゃない、自分の居場所を作ろうと満面の笑みで話す兵を見た七星はイタリアに行くことを決心をする。

七星の自分の居場所を探す旅が始まろうとしていた。

感想

タイトルが私に買ってくれと言っていたので買ってしまいました。

こういう漫画が好きな私が買わないわけがない。

 

自分が見えている範囲だけが世界の全てじゃないよ。

だからきっと君の居場所があるはずだよ。

  

どの時代でも今いる場所を窮屈と感じている人はいて、だけど外の世界へ行くという発想を持てない人や行きたくても勇気がない人がいる。

こんなに世界は広いのだから、どこかに自分の居場所はあるはず。

希望が持てそうな漫画でした。

 

七星が一郎に叩かれた時に言った「ほかに行くとこないから、ごめんな」というセリフが切ない。

どんなに笑いものにされてもへらへらと笑っていた七星。

自分の両親ではないから叔母夫婦には遠慮してしまうし、何より叔母夫婦には一郎がいる。

誰でもこの立場になったら本心を言うのは難しいんじゃないかと考えていしまう。

でも、そんな境遇でも七星が素直に育ったのはすごい。

17歳でこの性格はちょっと出来過ぎでは…?とは思ってしまいました。

  

一緒に生活するニコロとデオドロスも七星と同じように居場所が探してイタリアに来たのか、イタリアが話せるから奨学生に選ばれたのか。

二人の過去も知りたい!

 

今の時代でさえ人種差別は無くならないですが、この時代はもっと酷い差別を受けるはず。

七星が今の素直で純粋な性格のまま大学生活を送ることができるのか。

これから起こる問題にどうやって七星が解決していくのか楽しみですね。

 

 

アウトゥーロ中尉が七星にお嬢さんと声をかけた時、私も「え、七星って女の子だったの?」とだまされるところでした。

 



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