感想『魔女と野獣』佐竹幸典 4巻

ダークファンタジー・バトル

※ネタバレあります。ご注意ください。

あらすじ

魔剣を持って処刑人から逃げることができたギドは、アシャフと合流する。

部下にやられたクーガは瀕死の状態。処刑人のことを知ったクーガは戦力になると、アシャフは彼を治療する。

大勢のクーガの部下を手駒にした処刑人は、総動員で追ってきた。

ヘルガは処刑人に操られてしまい、ギドは不意をつかれ魔剣を奪われてしまう。

そして、ヘルガは処刑人によって魔剣で心臓を刺され、魔剣の封印が解かれてしまった。

魔剣のことなら何でも知っている処刑人。

魔女達の隠れ里を焼き魔剣の秘密を吐かしたのは処刑人達だったのだ。

唯一の生き残りであるヘルガは死んでしまった家族達が命を懸けてきた使命の為、どれだけ家族達を殺した人を憎んでいても魔剣を抜くことをしなかった。

しかし処刑人によって魔剣が解き放たれ、世界が滅ぼされようとしている。

アシャフによって一命を食い止めたヘルガは役目を果たせなかった自分を悔やんだ。

“キスぐらいはしてみたかった”と嘆くヘルガに、アシャフが叶えてあげようと提案する。

世界を滅ぼす力は唯一無二ではない。

魔剣対ギドの戦いが始まる。

 

感想

魔剣欲しさに二人一組であるはずの処刑人が単独で起こした事件でした。

処刑人の持っている禁具は17人の古代王の皮膚を縫い合わせたもの。

起源の魔女も17人なのですが、17という数字は何か意味があるのでしょうか。

結局、魔剣は精神がないため操ることができないので処刑人の思惑通りにはいかなかった。

魔剣とギドの戦いは規模が違いますね。魔剣とギドは人ではないので力自体に驚くこともないのですが、ギドに加勢して戦うクーガがすごい。人間がここまで戦うことができるとは。

部下に不意を突かれて一度は瀕死状態でしたが、彼が本気を出したら大変です。

魔剣が本領発揮してからの戦闘シーンがもう少し続いてほしかったところですが、ギドの方が強かったということでしょう。

魔剣には理性がなく破壊のための衝動と肉体があるのみ、というのですが、魔剣と魔女はただ憎しみ合っているだけの関係性ではない様に見えるので操ることできそうな気がしました。

ギドにやられた魔剣がヘルガを殺さずに済んだと安心しています。

ヘルガも魔剣を恨みながらも大事にしている様子なので、愛があるのかどうかはさておいて切っても切れない関係ですね。

ギドは魔剣や大精霊が恐れるほどの力を持っている。特に右手は特別な何かがあるようです。ギドは何なんでしょうね。

こんな危機的状況でもキスがしてみたかったと悔やむヘルガ。

アシャフではなくギドですが、念願のキスができてよかったよかった。

キスのくだりが殺伐とした空気を和らげてくれました。

世界が滅ぼされようとしている状況でのやりとりとは思ない会話ですが、ヘルガらしいです。

 

魔剣との戦いを終えて、ヘルガを送っている途中。

ついに登場しました。ギドに呪いを掛けた魔女”アンジェラ”

田舎の子どもたちに混じっていた様です。

見た目はヘルガよりも幼い姿です。

 

魔剣が恐ろしいはずなのに、ギドの力が強すぎて魔剣が早々に負けてしまった4巻でした。

 

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