※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
コッペの最初の飼い主、古部さんの自宅にやって来た一虎。
古部さんの店の名前は『古部パン』
コッペの名前は店の名前から来ていたのだ。
一虎が店の前で佇んでいると近所の人らしき男性から声をかけられて事情を話すとコッペは確かに古部さんに飼われていたことが判明する。
男性から話を聞くと、古部さんの娘夫婦がコッペを引き取ったが目を離した隙にいなくなったとのことらしい。
そして古部さんの自宅には今大学生の孫が住んでいるとも聞き、家の前で待つことに。
しばらくして孫の淳一が帰って来て一虎がコッペのことを伝えると、淳一はコッペは引き取る前から古部さん以外の手からは食べものを食べようとしなかったと話始める。
そんな淳一の話を聞きながら一虎はある違和感を感じ始めた。
感想
色んな問題が一気に解決した3巻でした。
コッペは人間の気持ちや態度に敏感で、古部さんやイチ以外の飼い主がどんな思いでコッペを飼っていたか分かっていたんでしょうね。(伊与の時は事情が違いますが)
正式にイチの家族となったコッペはこれから幸せに過ごせるので良かった。
イチが古部さんの家に行ったことを知ったコッペはまた捨てられると不安がり、そんなコッペを抱きしめながら捨てる事なんてありえないとイチが伝えると人間の様に泣きます。
ずび、と鼻水をすすりながら泣くコッペに感極まってしまいました。
コッペも複雑ですが、イチはさらに複雑な家庭環境で今のイチが出来上がったのは本当に奇跡だと再確認。
いつもイチが弱っている時に現れる実の父親。
「こんな人間が不始末で子どもを作るのか…?」と思うほど、なんというか…なんというか…。
よくこんな人間が子どもを作ったな…となんとも言えない気持ちになります。
イチが弱っている時にしか現れないのは、いつもイチを後ろから見守っていて状況を把握していたストーカーだからでしょうね。
他の見守り方があったでしょう!?と父親に言いたくなります。
彼なりに心配しているという理由では片付けられない。
子供を作った責任を放棄したのは変わりないのだから。
そして、イチが生まれてすぐに出て行ったのに親父と呼ぶイチ。
物心つく前にはいなくなった父親を親父と呼べることに違和感を持ちますが、それほど父親はストーカーをしていたのでしょうか?
なんだかなぁという感じです。
父親よりもイチの方が大人。叔母さんに育てられたおかげです。
父親を理解できなくても話は聞く、なんて大人でもできることではない。
イチも父親を完全に嫌いにはなれないだろうからこれから少しずつ関係が良くなるのかな。
時折見せる父親の笑顔を見てももやもやは晴れませんでした。
イチが良いならどんな結果でもいいのですが…。
サイラスさんもどうしてこんな男をパートナーに…?
父親に対してもやもやしたり、サイラスさんのサンドイッチがとても食べたくなったり、サイラスさんのサンドイッチを見たときのコッペの反応が可愛すぎたりと精神的に忙しかった3巻でした。