※ネタバレあります。ご注意ください。
あらすじ
諫早依知30歳、仕事はエンタメ系情報媒体のライター。
彼女は日々仕事相手からのセクハラや変質者との遭遇に飽き飽きしていた。
今日も映画監督へ取材に行くが素直に映画内容を褒めても「そんなに褒められると男はみんな勘違いしちゃうよ?」とへらへらと返されるだけだった。
そんな彼女の仕事場に元同級生の正木蒔人という男性が尋ねに来る。
彼は中学時代の出来事のお礼を言いに来たというのだ。
中学時代の出来事を覚えていないという依知に、都合が付いたら連絡してくれと何故か住所しか書かれていない名刺を渡してきた蒔人。
別の日、依知が取材した映画監督のトークショーで蒔人に遭遇してしまう。
仕事で来た依知は蒔人を適当にあしらい、監督へ挨拶しに行くが監督は何故か依知の服装についてしか喋らない。
依知の服装を見て「こないだのスカートとかも女の子らしくて可愛かったけどギャップがある方が男として興奮する…」などとへらへらした顔でほざくのだ。
仕事笑顔を張り付けた依知と監督の間に割って入ってきた蒔人が以前に依知が監督へ取材した時と同じ内容の感想を監督に伝えると監督は嬉しそうな顔で蒔人と話始めたのだ。
同じ内容の筈なのに素敵な笑顔をする監督を見て依知は不満を抱かずにはいられない。
そんな不満を抱きイライラしていた依知と同じタクシーで帰ることになった蒔人から中学時代の出来事を聞くことになる。
日々新鮮に絶望する依知とそんな彼女を脅かさないマイワールド全開の蒔人との漫画。
感想
女性の社会問題を扱っているのかと思いきや、最後のページで「…え?」となった謎だらけの漫画です。
セクハラ、変質者、盗撮、学園の謎、クローン人間?
1巻では何が何だか分かりません。
主人公の諫早依知は美人すぎるが故に男性関係の問題が後を絶ちません。
依知が真剣に取材をしていても取材相手は依知の容姿や服装しか見ない。
依知が捨てたごみを漁る男性がいるのには驚きました。そういうことが起こるのかと初めて知りました。
いいよね
あんたらはあんたらの事だけ考えていりゃいいんだから
あたしらはあんたらの事まで考えておかないと
死ぬかもしれないっていうのに
依知のこの言葉、幼い頃からいろいろなことがあったのでしょうね…。
毎日毎日新鮮に絶望している依知の前に現れた元同級生、正木蒔人。
マイワールド全開の彼も周りから見たら変わった男性です。
依知からしたらしょうもない中学時代のエピソードでも、蒔人にとっては命の恩人でした。
蒔人はイレギュラーな事態にとても弱く、彼も幼い頃からいろいろなことがあっただろうなと思わずにはいられない。
依知の蒔人への態度。取り繕わないのは良いのですが、蒔人のクレジットカード紛争事件での蒔人の取り乱し方を見た時の反応があまり良い感じはしませんでした。
依知の男性の悩みを考えれば仕方がないとは思いますが…。
でも蒔人は依知のことを良い人だと言っています。
実際に依知は良い人です。蒔人が自殺してしまうと勘違いして一人突っ走り、間違いだったことが判明した時に「無事で良かった」と言うくらいですから良い人に決まっています。
依知と蒔人が通っていた秀光館学園。
この学園の謎に迫っていくのかと思っているのですが、1巻の時点ではよく分かりません。
学園は内部生と外部生がいるようで、なんと内部生は病気にならない。
“外部生なんだから病気になる事くらいありえる”と蒔人が言っているので、逆を言えば”内部生は病気にならない”ということになります。
内部生は映画館も行ったことがないほどのお嬢様達で、抜け出す口実も”お花を摘みに行って参りますわ”。
この現代日本にこれほどのお嬢様達がいるのでしょうか…。
私の知らない世界があるのでしょう。
1巻を読む限り、この学園には行きたくないですね。
なんと依知と見た目も名前も同じ女性が秀光館学園にいました。
遺伝子操作、クローン技術が確立されている世界観なのか!と最後の最後に驚きました。
蒔人が依知を尋ねた時、”何ひとつ見た目が変わっていない”と言っているのでまさか依知もクローン人間…?
学園で行った遺伝子の相性チェックもそれ関係でしょうか。
まさかこの学園は良い遺伝子を作る為に存在しているとか…?
この漫画の舞台は日本かと思ったのですが、”霧”という単語が2回ほど出てきました。
依知が「霧も出ていないし適当に着替えて出かけよ」と言っていたり、飛行機が”Ⅲ型濃霧”の影響で欠航、遅れが起こっています。
違う漫画と関係があるのかとも思ったのですがそうではない様子。
霧も重要なテーマなのでしょうか。
表紙が綺麗だったので買ったのですが、まさかこれほど謎だらけとは思いませんでした。
この漫画、どこに向かっていくのでしょうか…?
依知と蒔人の関係も進展があるのでしょうか…?
気になり過ぎて早く2巻が読みたいです。