感想『ソフィアの円環』山田怜 1巻



※ネタバレあります。ご注意ください。

あらすじ

少年アルスは緋色の瞳に藍色の髪を持つ”ヴィンクルム”と呼ばれる忌み嫌われる存在だった。

一緒に施設から脱出するも亡くなってしまったヴィンクルムの女性、エミリアの後を追おうと橋の上から川を見下ろしていると、どこからか声がした。

“かえりたい、かえりたい”と言う声の方を見ると、大きな布に覆われた物が運ばれていた。

その物から名前を呼ばれ、アルスは”かえりたい”と言っていたエミリアのことを思い出す。

アルスはその物に近づき大きな布をはぎ取る。

布の中にあったのは、大きな人形だった。

巨大人形ソフィアと厄災の使徒”ヴィンクルム”の少年アルスの故郷を目指す旅が始まる。

登場人物

〇アルス

 厄災の使徒”ヴィンクルム”の少年

 巨大人形”ソフィア”の願いを叶る為、レーガ・サンタに入団する

 指輪を外すと化け物になってしまう

〇エミリア

 ヴィンクルムの女性

 アルスと施設から逃げ出すも亡くなってしまう

 

☆旅する大道芸、 神聖同盟レーガ・サンタ

〇ソフィア

 女型の巨大人形

 アルスの溢れる焚物エネルによって人間の様に呼吸もする

〇エネア

 旅する大道芸、神聖同盟レーガ・サンタの女性団長

 ヴィンクルムについて詳しく、アルスの持つ指輪についても知っていた

〇ベルニーニ

 銀色の目を持つ少年

 ソフィアのメンテナンス担当

〇ラス

 男性

 1巻では情報がない…

〇ブルーノ

 褐色の肌を持つ男性

 司祭

〇レオノール

 おしゃれよりも清潔感を大切にする女性

 物資管理担当

〇ディオネ

 ベルニーニの姉で片方の瞳が銀色

 ”白獅子の娘””片銀の牙”の異名を持つ騎士

〇トト

 二つの角をもつ男性

 食事担当

感想

巨大人形と少年が故郷を目指す旅。

 

この世界の生きとし生けるものは、肉体、焚物エネル(命の燃料)、精神(エネルの着火剤)の3つを均衡を取りながら生きている。

しかし、ヴィンクルムはエネルの量が多く肉体に収めきることができない。

感情が高ぶると抑制不能になり周りに害を与えてしまうのです。

 

ソフィアはアルスの溢れるエネルによって命が吹き込まれます。

ソフィアには感情があるのか、アルスに対して様々な視線を送ります。

そんなソフィアにアルスはいつも困惑してしまいます。

アルスは幼い頃から迫害を受けていたので人との付き合い方が分からない。

ソフィアの気持ちも、ディオネの気持ちも分からない。

レーガ・サンタに入団してから数日しか経っていないのに、何もかもが初めてだらけ。

これから沢山の事を学んで力と上手く付き合っていってほしい。

エネルを抑えてくれる指輪を外すとすぐに化け物となってしまいますが、コントロールできるようになれないのでしょうか。

 

ソフィアは”肉体と精神があるのにエネルがない”のかなと思いました。

機械がある世界観ではないので、感情がプログラムされている訳はなさそうですし。

ヴィンクルムなら誰でもソフィアを動かせるのではなくソフィアはアルスだから反応した。

アルスとソフィアの関係が気になります。

1話でソフィアがアルスにすり寄るシーンがとっても可愛い!

 

巨大人形はソフィア以外にもいるのでしょうか。

巨大人形が作られた理由は労働力か、見世物か、兵器か。

レーガ・サンタの団員全員が訳アリのようなので、それも分かって来るでしょうね。

1巻は謎ばかりが増えていきますが、これから全部分かると思うと楽しみです。

 

 

 



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